空前の大ヒットを記録し、すでに日本映画史に残る名作と呼ばれているくらいなので、いまさら映画『君の名は。』みましたというブログ記事もどうなのかと思うのですが、いや、本当に素晴らしい作品だったのでちょっと書いてみたいと思います。
※ネタバレなしのつもりで書きますが、勘の良い方はもしかしたらストーリーの推測ができてしまう表現があるかもしれないので、全く情報を入れたくないという方はここらで、そっと閉じてくださいませ。
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ただの男女入れ替わりラブストーリーだと思ってた
CMやポスターとかを見る限りだと、主人公の若いお兄ちゃんとお姉ちゃんが、入れ替わって・すれ違って・ははははーーん的なドラマに見えるじゃないですか。
それこそ、観月ありさといしだ壱成が入れ替わっちゃう的な学園モノと同じなんじゃないかと・・・
んで、結果としてはそれと同じような導入ではあるんですが、それだけで終わらないんですね。この部分はストーリーの核心であり完全にネタバレなので書かないですが。恋バナだと世の乙女たちは楽しいかもしれませんが、野郎たちが退屈してしまうのです。そうではない別軸の仕掛けが後半から動きだすのです。
大人にも響く、古き良き日本の田舎の美しい描写
映画のモデル地となった岐阜県では、すでに聖地巡礼が盛り上がっているとのことですが、映画の中では美しい田舎の風景が丁寧に描かれており、伝統芸能や後継者問題、選挙に関するシガラミなんかもサラッと組み込まれており、完全にSFな作品に親近感とリアルさを加えているように思いました。
キャラクターデザインは『心が叫びたがってるんだ。』の田中将賀、作画監督は『千と千尋の神隠し』など数多くのジブリ作品に参加してきた安藤雅司が務め、誰もが「美しい」と絶賛した美しい映像を作り上げています。
もはや、RADWINPSによる115分の長編MV
音楽はRADWIMPSが担当し、『前前前世』『スパークル』『夢灯籠』『なんでもないや』などボーカル楽曲4曲に加え、22曲の劇伴を制作。RADWINPSは脚本に合わせて楽曲を制作しているとのことで、作詞・作曲ともに映画にピッタリ合っており、逆に、新海誠監督も上がってきた楽曲に合わせてシーンの演出をしていたりするということで、まるでRADWINPSのミュージックビデオを見ているような間隔に陥ることもありました。
ちなみに、新海誠監督の作品は話題になっていつつもこれまで見たこと無かったので特に印象は無かったのですが、映画鑑賞後にレビューなどを読んだら結構画面描写に時間をかけすぎて冗長に感じるという意見が多くみられたんですが、「君の名は。」に関してはRADWINPSの疾走感のある楽曲のおかげか、全く眠い印象のない作品に仕上がっていると感じました。
2回以上観たい「噛めば噛むほど」効果!?
例に漏れず「素晴らしい!もう一度観たい!」と思える作品でしたが、複数回観ることで理解が進んだり伏線に気づいたりできるようです。題材が入れ替わりモノであり、タイムリープモノ(おっと、これはちょっとネタバレ)でもあるのでSF的な設定に慣れていない人はタイムラインに疑問が残る場合があるようです(うちの嫁がそうでした)。もちろん、作品としてはそういう状況でも楽しいし、だからこそ再度観たいということになるようですがー。
個人的には特に気になる伏線の回収漏れというのはないかなー、とも思うんですが、観ていて心地いいというのもあり、やっぱりもう一度観たいな〜と思います。こういう感想がでてくるあたりも大ヒットの要因なんでしょうね。
さて、スクリーンでもう一度見るタイミングがあるかわかりませんが、とりあえずRADWINPS聴いて浸りますかねぇ・・・。
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